インプラント治療

インプラントとは

インプラント治療は、歯を失った部分にチタンでできた人工歯根を埋め込み、 その上に人工歯を被せて機能性・審美性を蘇らせるという治療方法です。整形外科などほかの医療分野でも人工物を体内に挿入する治療においてインプラントという用語を使いますが、歯科では「人工歯根=インプラント」です。
治療にあたって周囲の歯に負担をかけることなく、円滑に「噛める」「話せる」といった天然歯の機能を再現できます。
インプラントが骨に接着するまでに3カ月~6カ月程度の治癒期間を要し、治療後も定期検診や丁寧なメンテナンスが必要となります。

インプラント

インプラントの素材ってなに?

インプラントの素材

インプラント治療に使用されるインプラント体は、一般的に生体親和性の高いチタンやチタン合金が主に採用されています。チタンは、その安全性から人工関節などの医療用具に広く利用されています。アバットメントとしては、チタン、チタン合金、ジルコニアなどが使用され、上部構造には強度と審美性を両立できるジルコニアや美観を重視したセラミックなどが利用されます。
日本では、さまざまな種類のインプラント体が20を超える品種が存在します。これらは、インプラント体とアバットメントが別々の部品として構成されるツーピースタイプと、一体化したワンピースタイプに分かれます。

形状には、ネジ状のスクリューや円筒状のシリンダーがありますが、スクリュータイプは骨との結合が良好であり、咀嚼力を均等に分散させやすいため、一般的に多く使用されています。また、最近では特殊な表面処理を施すことで結合性を向上させたタイプも市場に登場しています。

インプラントの素材

インプラントが有効なケース

①安全性が確保できる場合

CTによる正確な診査・診断によって、インプラントの直径や長さ、埋める方向や深さ、神経や血管の走行などについて安全であることがポイントです。

②周囲の歯の状態が悪くない場合

周囲の歯に歯周病などがあると、インプラントにも影響し「インプラント周囲炎」を起こすことがあります。インプラント治療を行う前に歯周病治療など適切なケアを行って、よい口腔環境になっていることがポイントです。

③入れ歯がうまく安定しない場合

入れ歯がうまく安定しない場合は、インプラントが有効な代替案になります。数本のインプラントを埋め込み、その上に総入れ歯を被せることでしっかりと固定させることができます。この方法を「オーバーデンチャー」といいます。

詳しくは、こちらのサイトをご覧ください

インプラント専門サイトインプラント専門サイト

インプラントのメリット・デメリット

メリット

  • しっかりと強く噛めるようになる
  • 左右でバランスよく噛めるようになる
  • 食物の味や、歯ごたえ・食感・温度などを楽しめるようになる
  • 取り外す面倒がない
  • 見た目が自然・見映えがよい

デメリット

  • 手術が必要になる(入院は不要)
  • 治療が長期間になる場合がある
  • 一時的に(2~3日程度)、出血・違和感・痛みなどが起こる場合がある
  • 検査結果によってはインプラント治療が行えない場合がある
  • 自由診療(保険適用外)のため費用が高額になる

当院のインプラントの特徴

「骨が少ない」「神経との距離が近い」といった場合はインプラントの施術ができないこともありますが、当クリニックは難しい症例にも対応しています。
ほかにも、「ガイデットサージェリー」や「静脈内鎮静法」など、患者さんが安心してインプラントにのぞめる技術をご提供しています。

ガイデットサージェリー

当院は、被写体を立体的な3次元で撮影できるCTを備えています。 CTで撮影したデータをもとにコンピューター上でインプラントの手術のシミュレーションを行い、そこで治療計画を立て、そのとおりに手術を行うシステムを「ガイデットサージェリー」と呼びます。 インプラント治療には精密な処置が必要になるため、CTのデータをもとにしっかり治療計画を立てることで、確実性・安全性が高い手術が可能になります。 インプラント治療に対しては、患者さんが不安を抱くことが少なくありません。手術と呼ばれるくらいの処置なので、「痛み」や「出血」が心配になるのは当然のことでしょう。ガイデッドサージェリーは術前のシミュレーションどおりにインプラントを埋入できるため、手術時間が短く、安全面でも高い効果があります。痛みや出血も最小限に留めることができます。

3次元CT

ガイデッドサージェリーは術前のシミュレーションどおりにインプラントを埋入できるため、手術時間が短く、安全面でも高い効果があります。痛みや出血も最小限に留めることができます。

具体的なメリット

埋入位置の正確な特定

インプラントを埋入する位置を正確に特定できます。CTで撮影した画像データを専用ソフトウェア上に反映させてシミュレーションを実施するため、顎の中の血管や神経を傷つけないようなルートを抽出して埋め込むことができます。
埋入する角度もフリーハンドではずれてしまうことがありますが、サージカルガイドを使用していれば正確な角度で行うことができます。

患者さんの負担軽減

円滑な流れで手術時間を短縮できるため、患者さんの身体的な負担を軽減できます。
また、歯肉を切開・剥離しないフラップレス手術(歯肉の上からインプラント埋入の穴を開けていく方法)が容易になるので、術後の痛みや腫れも軽減します。

荷重の判断も容易

骨の状態などから、インプラントを埋入した部分にどれくらい荷重できるかも計算できます。より精密なインプラントの調整が可能です。
インプラントに不安感をもっている方や他院で「できない」と言われたことがある方も、ガイデッドサージェリーを導入している当クリニックへお気軽にご相談・ご要望ください。

歯科用CT検査

歯科用CT

歯科用CTは、顎の立体的な状態を精密に評価し、コンピューター画像解析を通じて3Dでの正確な診断を可能にします。この検査は、インプラントの正確な配置、角度、深さを確保し、また麻痺などの深刻な合併症を予防するために非常に重要です。
※検査(CT撮影)の際は、提携する歯科医院にて協力依頼をしております。

歯科用CT

静脈内鎮静法

静脈内鎮静法は、鎮静薬を静脈に点滴してウトウトした状態をつくり出すもので、局所麻酔と併用することもできます。 インプラント治療は、局所麻酔のみで行っても痛みを感じることはほとんどありませんが、痛みを無くすことはできても、音が聞こえたり振動が伝わってきたりするため、患者さんにストレスがかかることは避けられません。静脈内鎮静法を使用することでリラックスした状態をつくり出すことができるため、患者さんのインプラント治療への恐怖心・不安・緊張などをやわらげることができます。患者さんのストレスを軽減することは、治療を円滑に、かつ、安全に進めることに繋がります。ちなみに、意識がなくなってしまう全身麻酔とも異なり、全身麻酔で必要な呼吸管理・入院も不要です。 静脈内鎮静法を用いる場合には、鎮静法についての知識・経験を持った医師が立ち会うことが必要で、対応できる設備も必要となります。そのようなことから、静脈内鎮静法は麻酔科の国家資格を持っている歯科医師しか行えず、全国でも取り入れている歯科医院はまだ多くありません。当院では静脈内鎮静法は歯科麻酔科出身の歯科医師が行います。 気になる方は、ぜひご相談ください。

静脈内鎮静法

ちなみに、意識がなくなってしまう全身麻酔とも異なり、全身麻酔で必要な呼吸管理・入院も不要です。 静脈内鎮静法を用いる場合には、鎮静法についての知識・経験を持った医師が立ち会うことが必要で、対応できる設備も必要となります。そのようなことから、静脈内鎮静法は麻酔科の国家資格を持っている歯科医師しか行えず、全国でも取り入れている歯科医院はまだ多くありません。当院では静脈内鎮静法は歯科麻酔科出身の歯科医師が行います。 気になる方は、ぜひご相談ください。

インプラント治療の流れ

インプラント治療は、さまざまなタイプが存在し、患者の口腔内の状態や顎の骨量に合わせて前処置や個別の治療が必要なことがあります。治療の期間や内容は患者に応じて異なりますが、一般的なインプラント治療の流れは以下のように進行します。

01.カウンセリング

当院では、患者様の最適な治療法を選択するために、口腔の状態を評価した後、患者様の希望や意向に真摯に耳を傾けています。それから、適切な治療方法を複数提案し、各選択肢の利点と欠点をわかりやすく説明いたします。治療の内容、所要期間、費用なども詳細にお伝えし、疑問点があればいつでもお気軽にお問い合わせいただけます。なお、治療計画は即座に決定する必要はなく、ご自宅でゆっくりとご検討いただけます。

02.精密検査

インプラント治療をご希望される際、当院では歯科用CTやデジタルレントゲンを駆使して口腔内の状態を詳細に評価し、インプラント治療の適応性を診断しています。当医院では、歯科用CTから得た3Dデータを利用し、専用のソフトウェアを用いて治療のシミュレーションを実施することです。

03.インプラント手術

治療前に患者様に麻酔を施し眠って頂いている状態で治療を施します。歯肉を切開し、前もって計画したインプラント体を埋め込む手術が行われます。この際のインプラント埋入手術時間は通常1時間ほどで終了致します。

04.結合

インプラント治療において、インプラントが総チタン製であっても、手術後すぐに強固に結合するわけではありません。治療期間が長くかかる理由は、主にインプラントと骨の結合を待つ必要があるからです。手術そのものは短時間で行われますが、骨結合のプロセスには待機時間が必要です。

近年、チタン素材や表面処理の改良、保存方法の向上などにより、骨結合までの期間は以前よりも短縮されました。それでも、通常は平均して2〜3か月の待機期間が必要です。上顎と下顎の骨組織の違いにより、待機期間も異なります。下顎骨は硬く、約2か月で骨結合しますが、上顎骨は軟らかく隙間が多いため、約3か月かかることが一般的です。

また、骨の量が不足している場合、インプラント埋入と同時に骨造成が必要な場合は、期間がさらに1〜2か月延びることがあります。

05.人工歯の装着

顎の骨とインプラントが確実に結合したら、上に精密な人工歯を取り付けます。当院では、CAD/CAM(コンピューター支援設計/コンピューター支援製造)のセレックシステムを採用しており、このシステムを使用することで、コンピューターの3D画面上で人工歯を設計し、高精度に削り出すことが可能です。これにより、審美性と機能性に優れ、長期間安定した高品質な人工歯を素早く提供できます。

06.メインテナンス

インプラント治療の成功には、その後のケアとメンテナンスが極めて重要です。インプラント周囲炎などの問題を予防するために、定期的な歯科検診を受け、毎日の丁寧な歯ブラシケアを行うことが不可欠です。これにより、インプラントと人工歯の寿命を延ばし、口腔内の健康を維持できます。

Medical DOC治療動画チャンネルにて、理事長菊島がインプラント治療について紹介しております!